魚の病気は人間に移る?

水産
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皆さんお魚好きですか?
私は食べるのも飼うのも大好きです。

日本人は魚をよく食べますし、レジャーや趣味などで魚に触れる機会も多いです。

多くの魚を見る機会があると必ず病気の個体に出会います。
そこで気になるのが、「触って平気か」「食べても大丈夫なのか」といった「人間に移るのか」という点でしょう。

そこで大学院時代に学んだ知識を元に、皆さんの不安を解消したいと思います。

 

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結論から言うと・・・

魚の病気は人間に移りません!

これまでに人間と魚の両方に感染して病気を引き起こす「人魚共通(じんぎょきょうつう)」の細菌およびウイルスは見つかっていません。

ただし寄生虫は別です。人間にも寄生する種類が存在します。
加えて、魚の病原体とは成りえないが、人間の食中毒の原因となる細菌およびウイルスも当然存在しています。

あくまで「人魚共通の病原体は見つかっていない」という点に注意してください。

 

人間に影響を及ぼす魚由来の細菌、ウイルス、寄生虫

では人間に感染する魚由来の細菌やウイルス、寄生虫にはどのようなものが存在するのでしょうか?

代表的な種類を紹介します。

細菌

・腸炎ビブリオ Vibrio parahaemolyticus

生魚が原因となる食中毒です。

症状は激しい下痢や腹痛が挙げられ、早くて食後4時間で症状が現れます。

魚を捌く際に、流水でしっかりと洗い流すことで予防できます。
また、特に夏場は生食する予定の魚を常温に放置しないことが重要です。

ウイルス

・ノロウイルス Norovirus

有名な食中毒原因ウイルスです。
症状には嘔吐、下痢、腹痛が挙げられます。食後1〜2日で症状が現れます。

カキなどの二枚貝が主な原因として報告されています。
特にカキが原因となることが多いのは、濾水能力が高く、ウイルスを大量に集め濃縮してしまうからです。

近年では、カキよりもノロウイルスに感染した人間が調理した、生の食品が原因となることが多いです。

食品の中心部が85~90℃となるように90秒間以上加熱することで予防することができます。

ちなみに血液型で感染率に差があります。
血液型抗原であるH(O), A, Leb型抗原という抗原に吸着されやすいことから、O型は感染しやすく、この抗原を持たないB型は感染しにくいことが報告されています。

一方で、ウイルス株(白人種か黄色人種かの違いみたいなもの)によって吸着しやすい抗原が異なることも明らかとなっているので、B型が絶対安全とは言えません。
ただ一つ言えるのは、O型はA型が持つH(O), A, Leb型抗原もB型のH(O), B, Leb型抗原も持っているので罹りやすさは間違いなく断トツ!

ちなみに筆者はO型!生ガキ大好き!

寄生虫

寄生虫が原因の食中毒は、過去の記事で紹介しているので詳しい情報が欲しい方は以下の記事をお読みください。

食べても大丈夫? 魚介類の寄生虫
近年、アニサキスが話題となっていますよね。 お笑いコンビ「品川庄司」の庄司智春さんも被害にあったことがあると告白されたことで知名度は更に上がりました。 それに伴ってメディアで取り上げられるようになり、鮮魚コーナーにまで注意を...

簡単に知りたい!という方はこのままご覧ください。

・アニサキス Anisakis

嘔吐や内蔵を刺されているかのような激痛に襲われます。

寄生されている魚を生食することが原因で発生し、痛みが発生するのは人間が本来の宿主ではなく、アニサキスがその環境から逃れようとするからです。

寄生率が高いのは、アジやサバといった青魚やサケ科の魚類全般です。

個人で獲った魚を生食しないことが一番の予防となります。
どうしても生食したい場合は寄生率が高いと報告されている魚を避け、刺身を薄造りにして虫体を目視で取り除くことで食べることができます。
また、冷凍(−20℃以下24時間以上)や加熱(60℃1分以上)によってアニサキスを殺すことができます。

 

・ナナホシクドア Kudoa septempunctata

軽度の下痢や嘔吐といった症状が発生します。
食後2時間程度で発症し、24時間後には症状は収まります。

クドアが寄生したヒラメを生食することが原因であると報告されています。

クドアは非常に小さく、目視で確認できないため加熱(75℃5分以上)のみが予防となります。

ちなみに、クドアが人の体内で育ってしまうことはありません。

その他

・ヒスタミン

頭痛や発熱、蕁麻疹といった症状が発生します。

マグロやサバといった赤身の魚に多く含まれるヒスチジンというアミノ酸がヒスタミンに変わってしまうことによって引き起こされます。

冷解凍を繰り返したり、常温で放置することで細菌が増加すると、その細菌がヒスチジンをヒスタミンに変えてしまします。

間接的に細菌が引き起こす食中毒です。

加熱してもヒスタミンは分解されないので注意です。
細菌を増やさないようにすることが予防となります。

 

終わりに

病気の魚を食べたり(基本的には見た目が悪くて市場には出ませんが)、触ったりする際に、怖がる必要はないことがおわかりいただけたでしょうか?

むしろ怖いのは病気として表に出てこない、食中毒の原因たちです。
目に見えるものだけでなく、見えないところにも注意することが大切です。

今回ご紹介したのは魚由来の食中毒のみでしたが、野菜や肉、キノコ類を原因とするものから、人間が原因となるものも多く存在します。
もちろん直接目に見えないものによって発生するものばかりです。

自分や周囲の人の健康を守るためにも最低限の知識を身につけることが必要です。

いずれ本ブログでも紹介できたらと思っています。

 

 

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