
ヤドクガエルやアマガエルを飼育している方にはお馴染み?のショウジョウバエ。
カマキリの幼齢やアリ、ハエトリグモなどを飼育している方にも重要なこの昆虫。
毎回購入していませんか?
購入するのは管理の手間を省くことができるので楽チンです。
しかし、毎度購入するのは面倒であったり、在庫が無かった場合は愛するペットの餌を切らしてしまう問題があります。
一方で自分で飼育すると、安定して餌の供給ができますし、コストを抑えられます。
メリットはともかく、皆さんにも、ショウジョウバエを飼ってみて欲しいので…
今回は、「割と面倒!?でもちょっぴり楽しい?ショウジョウバエの飼育法」をご紹介します。
Contents
ショウジョウバエとは?
ハエ目ショウジョウバエ科に属する昆虫の総称です。
主に餌に用いられるのは2種。
- キイロショウジョウバエ Drosophila melanogaster
- トリニドショウジョウバエ 学名不明 出自不明
キイロショウジョウバエについては科学の世界でもお馴染みで、高校生物の教科書にも載っています。
しかし、トリニドショウジョウバエについての詳しい情報が見当たらない!学術論文も出てこない!
通販などで広く販売されるこの種ですが、何者か分からないのが現状です。
詳しいことを知っている方いらっしゃいましたら、提供いただけたら幸いです。正体し知りたい...
生活史
生物個体の発生から死までの全生活過程を表したもの。
ここでは、卵から成虫までの期間をものすごーく簡単に説明します。
卵
↓約1日
幼虫
↓約4日
蛹
↓約5日
成虫
おわかりいただけましたか?
ショウジョウバエは卵としてこの世に誕生してから約10日で成虫になります。
つまり、適切に飼ってあげることで、すぐに餌として利用できます。
ちなみに、科学の世界ではショウジョウバエを飼育・繁殖させることを「培養」と呼びます。
培養法
材料と道具
始めに用意するものです。
道具類
- メラミンスポンジ
- レンジ可の円筒状の入れ物
- 電子秤
- スプーン
- 漏斗
- クリアファイル
- 50mlチューブ(あると便利、Amazonで買えます)
試薬類(そんなに大げさなもの無し、普段食べてるもの)
- 寒天(写真のは通販でまとめ買いしました)
- 砂糖
- 小麦粉
試薬類はネジ口のプラ瓶などに入れておくと便利です。
培養方法 容器作製編
飼育容器の作製方法について説明します。
ます飼育容器とメラミンスポンジを用意します。
容器の蓋は不要なのでポイしちゃってください。
容器の口側をメラミンスポンジに押し当てしっかり跡を付けます。
跡を参考にやや大きめにカットします。
写真のように切り口が荒くても大きめに切っておけば問題ありません。
カットしたスポンジを容器にはめ込みサイズを確かめます。
少しきついくらいが丁度良いです。
このようにメラミンスポンジを蓋として用います。
通気性および保湿力に優れている点に加え、加工が容易で安価であるという点が良いです。
キッチンペーパーやティッシュを蓋として用いても良いのですが、幼虫に食い破られて大脱走ということにも成りかねない為おすすめできません。
事実、筆者は一度脱走事件を起こしました。
培養方法 培地作製編
始めに培地の組成からご紹介。
ショウジョウバエ寒天培地
- 小麦粉 10g
- 砂糖 10g
- 寒天 2g
- 水 100mL
- イースト 少々
これだけです。
この中で重要なのは砂糖とイーストです。
最悪、砂糖寒天を作ってイーストをまぶすだけでも培養できるはずです。
それでは培地を作って行きましょう。
電子秤を使って試薬を量り取っていきます。
多く取りすぎても気にしなくて大丈夫です。
0合わせを忘れずに!
量り取ったら水を加えてかき混ぜます。
ダマがなくなるまで混ぜてください。
この時、熱湯を使うと早く溶けます。
100均でハンドミキサーを見つけました。
かなり楽に混ぜられるのでおすすめです。
混ぜた後はこんな感じ。
泡は気にしなくてOKです。
蓋を閉めてレンジへ投入。
1分くらいに設定してスタート。
沸騰してブクブク泡立ってきたら、液面が蓋につく前にレンジを止めます。
蓋を閉めたまま冷まします。
一晩常温で置けば十分です。
培養方法 ショウジョウバエ投入編
冷ましている間にショウジョウバエの足場を作りましょう。
クリアファイルを...
カットして
蛇腹折りにします。
これで完成です。
続いてショウジョウバエの餌となるドライイーストを
培地の表面を薄く覆うようにまぶします。
少ないとカビが発生しやすくなり、多いとショウジョウバエが育ちにくくなります。
イーストを入れた後は足場を培地に差し込みます。
写真のように自立すればOKです。
最後にショウジョウバエを培地に移します。
10個体程度入っていれば問題なく増えてくれます。
このように直接でもいいですし。
容器の口が小さい場合は漏斗を使うと安心。
元の容器から直接移すと大量に入ってしまう場合があるので、一度50mLチューブのような小さい容器を経由するのもおすすめです。
投入後はこんな感じです。
以上で完了です。
20〜25℃で10日間培養してください。
温度が高いほうが早く成長するようなので、急ぐ場合は25℃がおすすめ。
植え換え(植え継ぎ)について
餌として安定的に利用するなら、定期的に植え換えを行う必要があります。
およそ2週間に1度行えば十分だと思います。
この時
必ず複数の培地を用意して植え換えを行ってください。
カビの発生などにより容器1つ「まるごと」ダメになってしまうことがあるため、全滅のリスクを回避するためには必要なことです。
また、一度使用した容器は洗剤を使わずしっかり洗浄し、カビの有無に関わらず熱湯消毒を行うことをおすすめします。
洗剤の残留によって繁殖に影響が出る場合がある為、使用は厳禁です。
終わりに
少し手間がかかりますが、安定して餌を供給できるのは安心です。
また、餌とはいえ、こういった生物を飼育してみるのも楽しいものです。
もしかしたら愛着が湧いて、ペットの仲間入りしてしまうかもしれませんね。
愛するペットの為に、「ショウジョウバエの培養」始めてみませんか?