アサリが減ってるって知ってた?

水産
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私たち日本人にとって馴染み深い貝…
そう、アサリである。

お味噌汁や酒蒸し、炊き込みご飯といった和食から
ボンゴレパスタやクラムチャウダーなどの洋食まで
様々な料理となった彼らを、日ごろから食べていることと思います。

また、食べるだけでなく「潮干狩り」という春の定番レジャーでもお世話になっている

キング オブ 二枚貝

それが「アサリ」です。(少なくとも私はキングだと思っている)

そんなアサリですが…
近年、漁獲量が減っているのを知っていましたか?

今すぐ獲れなくなってしまうわけではありませんが、それはもうビックリするほど減っています。

今回は…
①どれくらい減っているのか
②原因は何か
③対策はあるのか
以上の3つについて説明します。

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どれくらい減っているの?

アサリが沢山獲れていた1960年代~1980年代頃までは、およそ12万トン~16万トン程度の漁獲量を誇っていました。

しかし、1983年を境に大幅に減少を始め、
2016年には、全盛期の約20分の1程度の7,957トンとなってしまっています。

しかも、現在も漁獲量の減少は続いており、2017年には6,743トンとなりました。
ここ数年は約3,000トンずつ減少していたので、2016年から2017年の減少量は抑えられていますが、それでも減り続けています。

アサリ減少の原因は?

①パーキンサス属原虫
いきなり聞きなれない名前を出してすみません。
大学院時代の研究対象だったもので…

パーキンサス属原虫はアサリを始めとする貝類に寄生する寄生虫です。
アサリにはPerkinsus olseniP. honshuensisという2種が寄生します。

パーキンサス属原虫が寄生することにより産卵数の減少や、生理状態への悪影響があることが分かっています。
また、アサリの稚貝(子供の貝)に大量に寄生させる実験で、アサリが死んでしまうことが明らかになっています。

実験条件下では、大体100万~1000万細胞くらいのパーキンサス属原虫が寄生することで病害が現れます。

②ツメタガイ
巻貝の一種で、アサリと同じく干潟などに生息しています。

ツメタガイは驚くべきことに、アサリの殻に穴を開けて中の身を食べてしまいます。
潮干狩りに行ったことのある方は3㎜位の穴が開いた空っぽの貝殻を見かけたことはありませんか?
それがツメタガイに食べられてしまったアサリの残骸です。

③カイヤドリウミグモ
またもや寄生虫です。
節足動物の一種で、クモのような奇妙な姿をしています。

アサリに寄生し、栄養を吸い取ることで成長します。
栄養が取られてしまったアサリには当然、成長や生殖に悪影響が出ます。

さらに、水を取り入れる取水管から鰓の間の外套膜という部分を占拠するので、呼吸の邪魔となってアサリが衰弱する原因にもなっていると考えられています。

④ナルトビエイなどの魚類による食害
一番影響があると言われているのはナルトビエイです。
コイツは成貝だろうとバクバク食べてしまいます。

他にもクロダイやキチヌ、キュウセン、クサフグも 成貝を食べてしまいます。

また2㎝以下の稚貝は他の魚たちにも丸飲みができてしまうので、食べられてしまうことも多いです。

⑤赤潮
赤潮は植物プランクトンが大量発生することによって引き起こされます。
主に魚類には酸素の低下や、鰓に詰まったプランクトンによって物理的に呼吸が阻害されることによる窒息という影響があります。

しかし、貝類には更に直接毒性を示すヘテロカプサという敵が存在します。

実際にヘテロカプサによる赤潮によって貝類が大量死した報告もあります。
もちろんアサリも例外なくこのプランクトンによって死んでしまいます。

⑥人間
私たちも当然原因の1つです。

近年は様々な魚介類の漁獲量をコントロールして資源を守る努力をしていますが、昔はやっていませんでした。
過去に獲りすぎたツケが回ってきている可能性も否定できません。

更に埋め立てによる環境破壊や工業排水による汚染も原因であると指摘されています。

アサリを守る対策は?

まず原因を6つほど挙げました。
実はこれらのどれが直接の原因であるかはっきりと分かっていないんです。
つまりどのような対策を取るのが最善か断言することはできません。

アサリを守る対策を立てるには…
①原因を特定する
②生物が原因である場合は、その生物の生態や性質を解明する。
③人間が原因である場合は、原因を取り除き資源量のモニタリングを行う。
④環境が原因である場合は、人為的に環境の整備をする。

正直、生物が原因である場合が一番厄介です。
私は学生時代には寄生虫が原因であるとして研究していましたが、寄生虫が原因であったら完全に対策するのは不可能ではないかと考えていました。

おまけに原因は1つだけでなく、複数あるいは全てが複雑に影響しあっていることが考えられるので、各分野の専門家の方や現場の方が力を合わせて対策を取らなくてはならないと思います。

ただ資源保全は守るだけでなく、増やすという手もあるので
養殖して放流することで減少量を上回る方法を目指すのもアリだと思います。

終わりに

沢山、アサリ減少の原因を紹介しましたが、日本各地で減らさず、かつ増やしていく努力がされています。
実は、北海道ではアサリの漁獲量は緩やかに増えていて、一大産地である厚岸では大粒のアサリが獲られています。

このように、専門家の方や現場の方々の努力によって、これからもアサリは守られていくと思います。
私たちにできることはほとんどありませんが、せめてアサリを食べるときはそうした努力を思いだしたいものです。

これからも楽しく潮干狩りして、美味しくアサリを食べられるよう、今後の研究の進歩と技術の発展を祈りましょう。

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コメント

  1. […] […]

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